趣旨所

特定非営利活動法人 日本補聴器技能者協会 設立趣旨書

我が国は、1970年に65歳以上の人口比率が7%に達し本格的な高齢化社会に突入しました。そして他に類例のない速さで高齢化率が進行し、今後はさらに団塊の世代と言われる世代の方々が高齢者の仲間入りを控えていることから、2015年には25%超となり4人に1人以上が高齢者となることが予想されております。

人は誰でも高齢化で身体能力が低下します。その一つに“聴力の障害”すなわち難聴がありますが、これは音楽や自然の音を楽しむことが困難になるだけではなく、会話によるコミュニケーションを妨げる大きな原因となります。これによって周囲の人々との意志疎通が図りにくくなることから社会参加の意欲が低下し、社会活力を阻害する一因となることが危惧されています。この難聴を補う「補聴器」は、近年では性能・機能が格段に向上し、高齢社会には欠かせない機器となっております。

補聴器は、耳科学的診断と、その診断を踏まえて一人一人の状況に合わせた適切なカウンセリングと諸調整を行いながら装用効果を確認し、その機能を発揮できる設定に導くものです。しかし、現在の社会一般の補聴器に対する認識は、それが持つ特殊性が誤解されていて、もっと安易な機器として受け止められています。一方では供給の現場においてさえ補聴器に関する充分な知識・技能を持つ専門員が充足しているとは言えない状況もあります。

先進諸外国では、公的資格制度の確立により良質な補聴器が良質な専門技術員の手によって難聴者に供給されています。しかし、我が国には公的資格制度がないだけでなく専門技術者を介さない流通ルートのために、その補聴器本来の機能が発揮できないで充分な適合が得られず、結果として難聴者に無駄な出費が強いられている現況は到底看過できないところです。

1989年以来、財団法人テクノエイド協会によって補聴器供給現場の専門職として認定補聴器技能者が育成されてきました。私たちは、今日までこの技能者個々人が各自の持場で発揮してきた能力を結集し、補聴器技能者の育成と技能研鑽を積むことに併せ、医療職団体、聴覚障害者団体、高齢者団体などの関係諸団体と協力して補聴器技能者の普及啓発をすることによって、より多くの難聴者が適正な補聴器適合技術に浴することが可能になり、さらに難聴者および難聴者を取り巻く社会の活性化に貢献し、あわせて社会福祉の増進を図るため、NPO 法に基づく法人格を取得することとし、特定非営利活動法人日本補聴器技能者協会を設立するものです。

  • 平成17年9月21日
  • 設立代表者住所 (省略)
  • 氏名 宮永好章
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