認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 天野 慎介さん(2011年取得)
「認定補聴器技能者」は、一般にはあまり聞き慣れない資格ですが、補聴器をお買い求めになる際には大変重要な役割を果たします。
今回は、実家が補聴器販売店で、一度は違う仕事に就きながら、“聞こえる喜びを取り戻すお手伝いがしたい”と、資格取得を志した天野さんをご紹介します。

認定補聴器技能者
天野慎介さん(2011年取得)

“すべては『聞こえ』のために!!”転職を決意

大学を卒業後、一度就職しましたが父が補聴器専門店をしており、自分も『聞こえ』に不自由されている方のお役に立ちたい!一生懸命働きたい!と思いこの仕事に就きました。認定補聴器技能者の資格を取る前は、自分の感覚や先輩のアドバイスに頼ることが多かったのですが、資格取得のための勉強や試験を通じて、聞こえの仕組みなどをしっかりと学び、理論や客観的評価を考えて調整を行なえるようになりました。以前にくらべて喜びのお声を多くいただけ、手ごたえを感じています。
私が勤める補聴器センターの企業理念であり、私の信念でもあります“すべては『聞こえ』のために!!”を、いつも肝に銘じています。難聴者の方のより良い豊かな生活(QOL)のために、お子様の言語発達のために努力する。当たり前ですが、その信念をずっと強く思い続けて仕事に励みます!

補聴器がつないでくれたお客様と孫との“絆”

私がこの仕事に就いて、忘れられない1人の方についてお話したいと思います。
そのおじいさんは、家族みんなから、『おじいちゃん耳が遠いよ、大きな声でいつも言わないといけない。そろそろ補聴器つけたら?』と言われていましたが、『俺はそんなもんいらん!まだ聞こえとる!』と言っていました。
少したっておじいさんのお孫さんが結婚することになり、お孫さんは結婚式で歌を歌うことになりました。その時お孫さんが『結婚式の歌、おじいちゃんもちゃんと聞いてほしい』と言いました。その一言でおじいさんは補聴器をすることを決めました。
結婚式当日、おじいさんはニコニコして歌をきいていました。式の終わりに、『お前の歌良かったぞ、しっかり聞こえたからな』とお孫さんに言いました。2人の目頭は熱くなっていました。
つねにお客様本位で補聴器をご提案する天野さんつねにお客様本位で補聴器をご提案する天野さん

補聴器をつけることが当たり前の社会になるために

実は、この話のおじいさんは私の祖父です。
祖父は本当に頑固で、補聴器を嫌がっていました。それは補聴器をつけることを恥ずかしいと思っていたからです。今の日本ではまだ補聴器は年寄りくさい、恥かしいと思っている方が多くいらっしゃいます。しかし補聴器は祖父の聞こえを変え、家族を『笑顔』にしました。
補聴器は恥ずかしいではなく聞こえを助けるものとして、目が悪ければメガネをかけるように、耳が聞きづらければ補聴器をつける。これが当たり前の社会になるために、できるところから行動していきます。

資格取得までの期間は貴重な体験がいっぱい

認定補聴器技能者とは自らを高め、さらに聞こえのために精進するための資格だと思っています。
2009年の東海支部の第10回補聴器適合研修会の発表は、貴重な体験でした。「お子様が補聴器を装用することは、言語発達においてとても重要だと思います。まさにその子の人生がかかっているといっても過言ではありません。お子様に有効な機能やワイヤレス通信も大切ですが、本当にもっと重要なのは、その子の『聞こえ』のために!!を思い遣って仕事をすることだと感じております」と、子どもと補聴器について耳鼻科医の先生方や補聴器関係者の方の前で発表ができたことは、私の人生においても、とても大きな経験になりました。これから認定補聴器技能者の資格を目指される方も、お客様の喜びの声を励みに、ぜひ認定補聴器技能者を取得して、聞こえのためにご活躍いただきたいです!
“お客様の笑顔が励み”と接客時も元気な笑顔を忘れない天野さん“お客様の笑顔が励み”と接客時も元気な笑顔を忘れない天野さん
おわりに
「認定補聴器技能者」の役割、大切さを実感していただけましたでしょうか。幅広い知識や秀でた技能だけでなく、認定補聴器技能者になるための「5年間」の頑張りを支えた思いや理念はきっと、みなさまの補聴器ライフに大きな安心感をもたらすことでしょう。

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