認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 村上 よし子さん(2009年取得)
現在の認定補聴器技能者養成課程は4年間かかりますが、それ以前は5年間必要でした。
今回インタビューをさせていただいたのは、その時期に認定補聴器技能者になられた村上さんです。認定補聴器技能者を目指したきっかけや、当時の苦労話を交えたお話をお伺いしましょう!

認定補聴器技能者
村上 よし子さん(2009年取得)

お客様と一生おつき合いできる補聴器販売店でありたい

私はもともと百貨店で販売の仕事をしていたこともあり、お客様とお話するのが大好きです。補聴器のフィッティングは、なかなか目指すとおりに進まなかったり、時間もかかったりすることが多いですが、聴こえの改善を実感していただけると本当に嬉しく思います。
時間をかけてお客様のお話をお伺いできるこの仕事は天職だと思っています。いろいろなおしゃべりの中から補聴器が役に立つヒントが見つかると、とても嬉しく思います。

私どもの店はお客様と一生おつき合いできる補聴器販売店でありたいと考え、おひとりのお客様に対応する時間をゆっくりとれるよう、基本的には予約制にしております。お母さまとご来店されていた小学生のお客様が、成長しておひとりで来られるようになり、やがて彼氏や彼女、結婚相手やお子さまも一緒にご来店していただけるようになると、親戚のおばちゃんのような気持ちで本当に嬉しくなります。お客様にとって大切な方にも、気軽に紹介していただけるような関係を今後も築いていきたいと思います。

家族の協力を得て認定補聴器技能者に

この仕事に携わることになったときから、いずれは認定補聴器技能者の資格を取ろうと思っていました。実際には働き始めて3年目の夏に、当時の基礎講習会を受けることになったのですが、子どもがまだ二人とも幼稚園児だったため、4日間家を空けることに不安があったのを覚えています。結局、主人の母と私の母にも手伝ってもらい、何とか乗り切りました。講習会では、音響学などそれまで縁のなかった理系科目の講義もありましたが、これが思っていた以上に難しくて、頭を抱えながらメモを取っていました。
基礎講習会の後、技能者講習会も4日間の講習で東京に行きました。子どもたちは小学生になりましたが、やはり二人の母に無理をお願いして家を空けました。今はeラーニングで受講できるので、そういう負担は少なくなり、いいなと思います。でも、その時は学生時代の友達と久しぶりに会って、丸の内で晩ごはんを食べましたから、ほんの少し非日常を楽しむことができ、それはそれで滅多にない機会だったので、よかったと思います。

フィッティングには確かな知識が必要

お客様とお話をするうえで、確かな知識の裏づけがある、というのは非常に重要なことだと思います。なぜこのような調整が必要なのか、なぜこの機種がふさわしいのか、ということを、時には理論的に説明しなければなりません。経験を積めば、お客様のご要望に沿うような調整はある程度できると思いますが、なぜそうなるのか理解していなければ、その調整は本当にお客様のためのものになっているかどうかわからない、と思うことが度々あります。お客様の身体に直接つけていただく「補聴器」、医療機器である「補聴器」を正しくお使いいただくためのフィッティングを行うのが認定補聴器技能者、という自覚を持たなければならないと思っています。現在も日々進化し続けている補聴器について、私もさらに学んでいく必要があると実感しています。

認定補聴器技能者を目指す方へのメッセージ

資格の取得については、職場や家族の協力も必要だと思いますが、必ず自分とお客様の両方に役立つものです。講習会などでは、あまり触れあうことのない同業の他社の人と知り合ったりして、刺激を受けることも多いので、ぜひ目指していただきたいと思います。
おわりに
一人ひとりのお客様を大切にされておられる村上さんのお話は補聴器販売に携わる方であればとても共感できる内容だったのではないでしょうか。日々進化を続ける補聴器に負けないよう、“Everyone Skillup!”を合言葉に私たちも研鑽を積んでいきましょう。

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