認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 長澤満弘さん(1995年取得)
「認定補聴器技能者」は、一般にはあまり聞き慣れない資格ですが、補聴器をお買い求めになる際には、大変重要な役割を果たします。
今回は,実際に補聴器専門店のスタッフとして14年、第一線で活躍されている長澤さんにお話を伺いました。
 
認定補聴器技能者
長澤満弘さん(1995年取得)

お客様にご満足いただくために資格取得を決意

補聴器の販売でお客様に満足して頂くためには、基本的な技術はもちろん、沢山の知識が必要と考えました。それには、技能者になる事が最低限であると考え、資格を取得しようと決めたんです。実際に資格を取ってからは、お客様へのご提案に自信が持てるようになりました。

補聴器は専門用語が沢山ありますが、できる限りお客様には噛み砕いてわかりやすくご提案できるよう心がけております。補聴器のフィッティングは、耳の形や聞こえの特性など一人一人違うので、お客様とマンツーマンでコツコツと細かい調整が必要になります。ですからお客様には出来るだけお店に足を運んでいただくようお勧めしております。
長澤さんが勤務する店舗の待合室。広々しています。長澤さんが勤務する店舗の待合室。広々しています。

仕事と受講の両立は、忙しいながらも大きな充実感があります

資格取得までの5年間は、とにかく、技術・知識習得のために講習会に参加することで懸命でした。私の働く店がある岩手という立地条件上、中央の講習会に参加する時間を作ることがなかなか難しく、近隣での講習会を全て参加しないと、必要な受講ポイントが獲得できないという状況がありました。おかげで仕事と並行して受講の時間を作れるような段取りの仕方、仕事の進め方が身についたかもしれません。また、講習会などで知り合った同業者の方々との情報交換は、技術的なことや接客の質を向上させるうえで、とてもためになりました。

一人のお客様とのフィッティングから得たもの

耳鼻科の先生のご指導のもとであるお客様にフィッティングを行ったのですが、その方は聴力レベルが右耳55dB、左耳が70dBで明瞭度がどちらも5%でした。
色々な補聴器の評価を試みてみましたが、最終的な評価として効果無しとなってしまった事です。これは私にとって貴重な経験でした。それまでは補聴器で音が聞こえるようになれば言葉が聞き分けられるようになると単純に思っていました。補聴器は言語だけでなく、周囲の音から感じる気配からも、お客様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に役立てることができることに気がついたんです。
お客様の話にじっくり耳を傾ける長澤さんお客様の話にじっくり耳を傾ける長澤さん

もっともっと精進してお客様と親身に向き合いたい

私にとって「認定補聴器技能者」とは、補聴器のフィッティングのプロであると共に、お客様と親身に向き合い、先生と常日頃連携を取り、良きアドバイスができる人です。私自身も常にそれを心がけ、また自分自身もっともっと勉強し日々精進する事が大切だと感じています。

私が働いている会社には「音が伝える いのちの輝き」と言う言葉があります。この言葉通りになった時、難聴の方が補聴器を装着し笑顔になり、また明るくなり社会復帰して、補聴器を装着して良かったと言われた時、「ああ、この仕事に就いてよかった」と心から感じますね。

難聴の方々の良きアドバイザーになるためには、色々な勉強が必要です。5年は長いかもしれませんが、面倒と思わず是非資格は取得してほしいと思います。
おわりに
「認定補聴器技能者」の役割、大切さを実感していただけましたでしょうか。幅広い知識や秀でた技能だけでなく、認定補聴器技能者になるための「5年間」の頑張りを支えた思いや理念はきっと、みなさまの補聴器ライフに大きな安心感をもたらすことでしょう。

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