認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 邉見 輝男さん(2018年取得)
今年度2人目となる技能者インタビュー、今回は仙台で販売に従事されている辺見さんにお話を伺ってみました!辺見さんはメーカーで補聴器の製造をされていた方で、2年前に技能者になられました。どんな想いを胸に補聴器販売に携わっておられるのか、早速お話を聞いてみましょう!!
 

補聴器製造から販売へ、認定補聴器技能者を目指した理由

元々、メーカーで補聴器製造の仕事をしておりましたが、実際に店舗で補聴器を販売する機会があり、直接お客様の言葉を聞くことができて、お客様を身近に感じられる販売の仕事も良いと考え、今の職場を希望しました。補聴器の機械的なことはある程度は知っているつもりでしたが、お客様一人一人へ補聴器を販売し、お話を伺いながらフィッティングをすることはこれまでの知識とは違う部分もあり、更に知識を深めると共に認定補聴器技能者資格取得の必要性を感じました。

養成課程Ⅱ期の講義は丸1週間5日かけて受講するのがきついなと思いましたが、音響学から医学的な内容まで多岐にわたる講義はどれも興味深く受講出来ました。特に印象に残っているのは医大の先生から受けた聴覚のメカニズムで、有毛細胞のことや神経を辿って脳で音としてどの様に認識しているのか、耳の病気のことなど大学で教えるような内容がとても興味深かったです。
 

フィッティングに必要な情報を逃さないよう、しっかり会話と観察を

認定補聴器技能者になったことで自信と責任が格段にアップしたと思います。以前はお客様からの訴えに対して「この場合はこうする」など型通りになってしまっていたところがありましたが、多くの知識を得たことで今までと同じではいけないとより強く感じるようになりました。100人の訴えは100通りのフィッティングがあると考え、しっかりとお客様のお話をお聞きするように心がけています。また、そうしてお客様と深くお話をすることで気持ちにもゆとりができ、接客にも余裕や自信が生まれてきたと感じています。

お客様はご自身の聞こえについて、言葉で完璧に表現するのは難しいと思います。雑音がすると言ってもどんな雑音なのか、どんな時に鳴っているのかなど出来るだけ違う聞き方をし、こちらの勝手な思い込みで全く違う調整になってしまわないように意識しています。また、接客をしながら会話の中で聞き返しをしていないか、どの程度の会話が成立できているか、装着はできているか、耳垢で汚れやすくなっていないか等を見逃さないように心がけています。
 

お客様からの言葉に責任の重さを感じながら

対応したお客様に「聞こえる様になって良かった。“先生”ありがとう。」と言われたことがあります。もちろん私は先生ではありませんが、それだけお客様は私たちのことを頼って来られているのだと実感し、改めてこの仕事に対する責任の重さを感じました。

時には適切な対応が出来ず注意を受けることもありましたが、自身の及ばない点をお客様から勉強させていただいていると思っています。「これ食べて」と差し入れを頂いたりすることもあり、これだけお客様から「ありがとう」と仰っていただける仕事は他にあまりないと思います。
 

これから認定補聴器技能者を目指す方へのメッセージ

認定補聴器技能者は、お客様にとっても自分にとっても「安心感」「責任感」「信頼感」「自信」になっていると思います。補聴器を扱う者には必須アイテムであり、そして、このアイテムをさらに磨きあげていかなければならないと思います。

この仕事の良い所はお客様から「聞こえる様になって良かった」逆に「思う様に聞こえない」など、良いも悪いもダイレクトに自分の仕事の評価を感じられることだと思います。もし、認定補聴器技能者になっていなければ、お客様の評価に対して責任と自信を持って対応できていなかったかもしれません。難聴の方々のサポートをするためには、専門的な勉強をし自信と責任を持って対応することが非常に重要です。医療機器である補聴器を販売している方にとって、認定補聴器技能者の資格は必要不可欠だと思います。
 
おわりに
認定補聴器技能者になり知識を得たことによる「自信」、お客様の為にもっと知識を得たいという「責任感」。どちらも仕事をしていく上でとても大切です。協会では継続研修プログラムであるHHP研修会を実施しています。“Everyone Skill up!”を合言葉に更なる研鑽を積んでいきましょう。
 

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