認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 飯嶋 裕二さん(2014年取得)
今回のインタビューは東京都の販売店に在籍されている飯嶋さんにご協力いただきました!飯嶋さんは補聴器販売歴15年のベテラン技能者で、2022年度から当協会の理事として活躍されております。補聴器販売に携わる想いや、日頃から大切にしていることについて、さっそく伺ってみましょう!!

実家の専門店から他業種や販売代理店へ

約20年前に眼鏡店勤務だった父が開業することとなり、私も一緒に補聴器業界で働くこととなりました。埼玉県飯能市初の補聴器専門店を親子3人(父・兄・私)で数年運営しておりましたが、当時の私は他にやりたいことができ、補聴器業界を離れホームページ制作のWEBディレクターやシステムエンジニアを経験しました。その後、家業の補聴器専門店で担当営業の方にしていただいたように、販売店様への支援や指導を生業にしたいという想いから、飯能店の取引先でもある補聴器メーカーの代理店へ入社しました。代理店では店舗の販売員として5年、卸業務の営業として8年の勤務を経て、結果的に家業の補聴器専門店へ出戻る形となりました。

認定補聴器技能者を目指したきっかけ

前述のような想いから代理店勤務時代には入社時より販売員ではなく、営業として活躍したいという明確な目標がありました。今まで本人の希望による異動は前例がありませんでしたが、ゴルフ等の地道な社内営業も行い、念願の卸業務の営業への異動が叶いました。認定補聴器技能者を目指そうと思ったのは、卸先の諸先輩方と同じレベルで補聴器について話をするため(話を聞いていただくため)に必要になる資格だと考えていたためです。
資格取得の過程は補聴器に関わる知識をたくさん学べる機会でした。たくさんの講義を受講し、日々の業務で理解をせずに行っていた作業が徐々に仕事へと変化していった感覚がありました。集合講習の時には数日間は日常業務を離れられるので、講義を含めて、とても楽しかった記憶があります。同期の友人と泊まりで飲み歩いたり、スーパー銭湯に行ったりしました。試験後もファミレスで共に自己採点を行い、9割前後の正答率だったため、勝手に合格したこととして、正式に合否が出る前にお祝いをしました。
資格取得後、営業の仕事では認定補聴器技能者の資格に後押ししてもらい、お客様の対応や補聴器フィッティングについて販売店様への提案がよりすんなりと受け入れていただけたと感じています。
 

当たり前のことを当たり前に続ける

会社の経営理念でもあり、私が接客の心がけとして大切にしていることが3つあります。
  • (ビジョン)安定成長と多店舗展開で影響の輪を拡大し、難聴者支援を通じて社会貢献に資する。
  • (ミッション)出店地域のお客様の信頼を獲得し、win-winな関係を築き、QOL向上に貢献する。
  • (バリュー)お客様に真摯に向き合い、満足度向上のために適切な補聴器サービスを提供する。

補聴器フィッティングの際に、お客様の表情がパッと明るくなり、目の奥が急に光り出すように見えることがあります。その時は調整が正しかったのだという手ごたえを感じます。こちらが感謝すべきお客様より「良く聞こえる、ありがとう」と言ってもらえた時はやはり嬉しいです。また、「近くに店舗を作ってくれてありがとう」と出店先のお客様に感謝の言葉を頂戴することも多々ありますので、接客接遇の質を高めながら、10年以内に10店舗の実現を目指して、多店舗展開も加速していきます。

また、私から初めて補聴器を購入してくれたのは、今は亡き祖母でした。ドキドキしながら初めての耳型採取を行い、オーダーメイド補聴器を作成しました。開店直後は店舗に補聴効果測定装置を完備しておらず、途中で離職もしてしまいましたので、適切な聞こえにできなかった後悔の念がありますが、「ありがとう」と言ってもらえた場面は印象に残っています。祖母のような被害者を出さないために、無知による調整の不備や怠慢による各種測定の未実施は、会社全体でなくなるように努めています。時間の有無を言い訳にせず、当たり前のことを当たり前に愚直にやり続けていますし、今後もやり続けていきます。

これから技能者を目指す方へ

補聴器に関する知識収集とスキルアップの必要性を常々感じています。そのために日本補聴器技能者協会の理事も務め、諸先輩方より多くを学ばせていただいております。補聴器の性能は日々進歩していますので、補聴器フィッティングの技能もそれに合わせて向上させていかなければなりません。

認定補聴器技能者は4年間で合計120時間以上の講習期間と認定試験を経て取得する資格ですので、お客様に良質な補聴器サービスを提供するために必要な知識を学べると思います。本資格は基準以上の知識や技能を持つことを認定されるものですが、取得はゴールではなく通過点だと思います。ご自身が担当するお客様の「きこえの改善をサポートするプロフェッショナル」として、今後も精進されてください。私も頑張ります。
 
おわりに
いかがでしたでしょうか。飯嶋さんのインタビューでもありましたように、認定補聴器技能者になることはゴールではなく通過点です。進歩を続ける補聴器の性能に負けないよう、新たな知識の習得やフィッティング技術を磨き続けることがお客様に喜んでもらえることに繋がります。
技能者協会では認定補聴器技能者になった後も継続して学べるよう、HHP研修会をオンラインでも開催しております。“Everyone Skillup!”を合言葉にこれからも研鑽を積んでいきましょう!
 

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