認定補聴器技能者インタビュー

認定補聴器技能者 下田圭介さん(2009年取得)
今回のインタビューは青森県の下田圭介さんです。
下田さんは2009年に認定補聴器技能者の資格を取得し、当協会の研修プログラムを受講、HHP(ヒアリングヘルスケアプロフェッショナル)としてもご活躍されています。
技能者として日々研鑽を積みながら、家業を継いで補聴器販売店を経営されている下田さんにお話しを伺いました!

両親の働く姿に魅力を感じて

 現在は2代目として会社の代表を務めておりますが、そのきっかけとなったのは、やはり両親の存在になります。物心ついた時から、いつも忙しく働いている両親ときこえに不安を抱えたご高齢の方々を見ながら育ちました。お客様に笑顔で対応している両親と笑顔になって帰っていくお客様… 毎日疲れて帰ってくるけれども充実しているようすに、自然といい仕事だなと魅力を感じるようになりました。仕事の内容はよく把握はしておりませんでしたが、自分もこの仕事でやっていきたいと思い、この業界に飛び込みました。

 現在も両親と仕事をしており、多忙な時期などは体力的に大変な時もありますが、とても充実した毎日を送っています。

資格取得後も仲間と自主的に勉強会を開催

 やはり仕事をしていくうえで、補聴器のプロフェッショナルになければならないと思い、認定補聴器技能者を目指しました。
 知識を得ることは、先輩のお話を聞いたり、テキストを読み込むことで身につきますが、技術に関しては話を聞いたり、テキストをいくら読んでも身につくものではありません。知識はあれど経験不足で技術が追いつかなく、もどかしい思いをしたものです。
 この仕事を始めて間もないころは、体の一部である大事な補聴器を調整やお掃除に預けることをためらう方もいらっしゃいましたが、資格を取得してからはお客様から安心してお任せいただいてることを感じました。その分、大事なものをお預かりする責任も大きくなることを感じています。
 認定補聴器技能者になってからも新しい知識や技能の勉強は欠かせません。今は様々な分野にAIが導入されています。補聴器にもです。補聴器は日々進化しており、補聴器の調整をするにあたっては、補聴器の性能をよく理解し知識を深めなければと考え、内輪ではありますが定期的に勉強会を開いております。

この仕事のやりがい

 お客様の中には赤ちゃんの頃から補聴器をお使いになられる方もいます。その子達が補聴器の力を借りて、成長し、そして社会に出て健聴者の方と変わらない仕事、生活を送れていることを聞くとお客様の生活の役に立てていることをうれしく思います。

お客様に笑顔で帰っていただけるように

 初めて販売したお客様のことは今でも鮮明に覚えています。お互いやや緊張した空気の中、自分のつたない説明に対して真剣に耳を傾けていただき、最後はご納得いただきご購入に至りました。今では良い思い出です。
 そんな経験から、初来店のお客様にはまずは安心していただくことを心がけています。初めて訪れるお店に対しての不安を和らげていただくために、補聴器の説明よりも世間話に時間が多く取られることもありますが、それが遠回りのように見えて実は近道かもしれません。お帰りになられる際、いつも笑顔でお帰りいただくよう心がけ、毎回心を込めてお客様との信頼関係を築くようにしています。

これから技能者を目指す方へ

 社会の一員として誰かの力になれるお仕事です。決して簡単な仕事ではありませんが、喜びも大いにある仕事です。

 きこえでお困りのお客様の人生に寄り添うために、聴覚や補聴器についての知識を身につけるのはもちろんのこと、なによりも優しい気持ちでお客様と向き合うことを大事にしてください。

 また、お客様との繋がりはもちろんですが、講習会等で知り合う他店の販売員、他県で営業している方々との繋がりも大事です。お店は違えど同じ仕事をしている仲間と繋がりを持ち、コミュニケーションをとる中で、接客や補聴器の調整等の悩みを解決するためのヒントが見つかることもあります。人と人との繋がりを大事にしてほしいと思います。

おわりに
いかがでしたでしょうか。下田さんのように、資格や業界の研修会だけでなく、自主的な勉強会を行っている認定補聴器技能者が実は結構いらっしゃいます。技能者になることは補聴器販売の入り口です。補聴器の知識だけではなく、難聴者の心理やお客様に立場に立つ大切さなども身に着けていかなければなりません。技能者協会では定期的に座談会も開催していますので、「仲間がいない!」という方もそうした場で悩みを共有したりして積極的に交流してみましょう。オフラインの研修会も随時開催していきますので、ぜひお気軽に参加してみてください。

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